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AI導入の相談先・外注先の選び方:依頼する前に確認したいポイント

AI導入の相談先・外注先を選ぶ確認項目を解説。同じ条件で提案を比べる依頼メモ、デモで見る例外対応、納品物・保守・データ引き継ぎの質問例を紹介します。

この記事のポイント

  • 依頼する前に、目的と対象の業務、社内の担当者を整理しておく。
  • 特定のツールありきではなく、目的から話を進めてくれる相手を選ぶ。
  • 同じ入力例と期待する出力を渡し、通常の回答に加えて資料不足や誤りへの対応も比べる。

AI導入を社内だけで進めるのは難しい。そう考えて外部への相談を検討し始めたものの、どこに頼めばよいかで迷う方は多いのではないでしょうか。

AI導入を支援する会社には、ツールの販売を中心とする会社、計画づくりを支援する会社、開発を請け負う会社など、さまざまな形があります。それぞれ得意な範囲が異なるため、自社の状況に合わない相手を選ぶと、期待していた支援が受けられないこともあるでしょう。

この記事では、AI導入の相談先・外注先の種類と特徴を整理したうえで、依頼する前に社内で準備しておくことと、相談先を選ぶときの確認ポイントを紹介します。

相談先の種類と特徴

AI導入の相談先は、支援する範囲によっていくつかの種類に分けられます。代表的な形を表にまとめました。

相談先の形 向いている場面
ツールの販売・導入を中心とする会社 使いたいツールが決まっていて、設定や契約を進めたい
計画づくりや業務の整理を支援する会社 何から始めるか、どの業務に使うかを決めたい
開発を請け負う会社 社内の資料やシステムとつなぐ仕組みを作りたい
計画から開発、定着まで支援する会社 一つの窓口で、相談から導入後まで任せたい

実際には、複数の範囲を扱う会社もあり、表のとおりにきれいに分かれるわけではありません。大切なのは、自社が今どの段階にいて、どこまでの支援を求めているかを把握することです。

まだ何に使うかが決まっていない段階で開発の話から始めると、必要以上に大きな仕組みを作ってしまうおそれがあります。反対に、作りたいものが明確な段階で計画づくりから始めると、時間がかかりすぎることもあるでしょう。

依頼する前に社内で整理しておくこと

相談先を選ぶ前に、社内で整理しておきたいことが3つあります。目的、対象の業務、社内の担当者です。

目的は、「どの作業の手間を減らしたいか」が分かる程度で十分です。対象の業務は、候補を一つか二つ挙げておくと、相談の中身が具体的になります。社内の担当者は、外部とのやりとりを受け持つ人を一人決めておきましょう。

これらが決まっていなくても、相談すること自体は可能です。ただ、整理された状態で相談したほうが、相談先からの提案を比べやすくなります。整理の進め方は、AI導入を始める前に確認したい社内チェックリストを参考にしてください。

確認ポイント1:目的から話を始め、分かる言葉で説明してくれるか

最初に確認したいのは、相談先が自社の目的や業務の話から始めてくれるかどうかです。最初から特定のツールや仕組みの説明ばかりが続く場合は、その会社が扱う商品を前提に話が進んでいる可能性があります。

説明の分かりやすさも大切な判断材料です。AIに詳しくない担当者や経営者が聞いても理解できる言葉で説明してくれるかを見てください。専門用語を使う場合に、その意味を短く説明してくれる相手であれば、社内での説明もしやすくなります。

AIでできないことや、うまくいかない可能性についても話してくれるかどうかを確かめましょう。生成AIは、事実と異なる内容を出力することがあります。その点を踏まえて、人による確認の手順まで一緒に考えてくれる相手が安心です。

確認ポイント2:特定のツールに縛られない提案か

生成AIのツールやAIのモデルは、種類が多く、機能や料金も変わっていきます。特定のツールだけを前提にした提案だと、後から別のツールに切り替えたくなったときに、手間や費用がかかることがあります。

提案を受けたときは、なぜそのツールを選ぶのか、ほかの選択肢と比べてどうなのかを聞いてみるとよいでしょう。理由を具体的に説明できる相手であれば、目的に合わせて選んでいると判断できます。

既製のツールで足りるのか、開発が必要なのかを率直に判断してくれるかも確認したい点です。既製のツールで十分な業務に、開発を前提とした提案が出てくる場合は、その理由を確かめてください。

確認ポイント3:情報の扱いと導入後の支援

AI導入では、社内の資料や顧客の情報を扱う場面があります。相談先が情報をどのように扱うか、AIに入力する情報のルールづくりまで支援してくれるかを確認しておきます。

あわせて、導入した後の支援の範囲も確認しましょう。AIの仕組みは、導入して終わりではありません。社員に使い方を広げる段階や、ツールの仕様が変わったときの対応まで相談できるかどうかで、導入後の進めやすさが変わります。

計画だけを作って終わる支援なのか、試験導入や社内への定着まで一緒に進めるのかは、相談先によって異なります。どこまでを依頼したいかを社内で決めたうえで、対応できる範囲を確認するのが確実です。

見積もりと契約で確認すること

見積もりを受け取ったら、金額だけでなく、何が含まれているかを確認します。作業の範囲、成果物、期間、打ち合わせの回数、導入後の保守の有無などです。

同じ依頼内容を二つの相談先に渡し、返ってきた見積もりを並べる図。金額だけでなく、作業の範囲、成果物、期間、導入後の保守の有無といった含まれる内容を行ごとにそろえ、同じ条件で比較することを示している。
見積もりは金額だけでなく、含まれる作業や保守まで同じ条件でそろえて比べます。

複数の相談先から見積もりを取る場合は、同じ条件で比べられるように、依頼する内容をそろえて伝えるとよいでしょう。条件がそろっていないと、安く見える見積もりに必要な作業が含まれていなかった、ということも起こり得ます。

契約の前には、追加の費用が発生する条件と、契約を終えるときの扱いも確認しておくと安心です。開発を依頼する場合は、作ったものの権利や、データの引き渡しの方法も確かめておきたいところです。費用の内訳の考え方は、AI導入にかかる費用の内訳と考え方で紹介しています。

複数の会社へ渡す依頼メモの例

社内の問い合わせ対応を改善する想定例です。相談先によって提案内容が大きく違わないよう、同じメモを渡します。社内資料を最初からすべて共有する必要はなく、公開できる見本や架空の問い合わせから説明できます。

項目 記入する内容の例
困っていること 総務への同じ質問が繰り返される
最初の対象 備品申請と社内設備の利用方法
対象外 人事評価、個別給与、例外の承認
使う資料 現行の手順書と申請案内
求める結果 参照元を示した回答案、担当窓口への引き継ぎ
自社の担当 総務が内容を確認し、管理担当が環境を確認
判断方法 回答品質、確認工数、更新のしやすさ

依頼メモには、まだ決まっていないことも書きます。「資料の整理も支援してほしい」「予算は提案を見て判断したい」と伝えれば、どこまでを提案や見積もりに含めるかを相談できます。未定事項を隠して固定金額だけ求めると、追加費用の条件が増える原因になります。

デモでは、答えられない質問も見せてもらう

紹介用に用意されたデモは、製品の使い方を知るには便利です。自社の業務で使えるかを判断する際は、自社が用意した入力例でも試してもらいます。資料に答えがある質問に加え、情報が足りない質問や、例外判断が必要な質問を含めます。

自社が用意した入力例として、資料に答えがある質問、情報が足りない質問、例外判断が必要な質問の三種類をデモで試す図。それぞれ、根拠のある回答を返すか、不明と伝えるか窓口へ案内するか、勝手な許可を出さないかを確認する。
デモでは自社の入力例を使い、答えられない質問への対応まで確かめます。

たとえば備品申請の案内なら、「申請先はどこか」に答えられるだけでなく、「上長の承認なしで購入してよいか」に勝手な許可を出さないかを確認します。資料に答えがないときに、不明と伝えるのか、どの窓口へ案内するのかも見ます。

説明を受けたら、「どの資料を根拠にしたか」「古い手順を差し替えたら何をするか」「参照できない資料がある利用者にはどう答えるか」を尋ねます。回答の見た目だけでなく、管理担当が実際に続けられる操作かどうかも確認してください。

納品物と保守は、作業例で範囲をそろえる

「導入支援一式」という見積もりでは、何を受け取れるかが分かりません。設定済みの環境、操作手順、評価結果、管理者向け資料、研修などを項目ごとに確認します。開発を伴う場合は、ソースコードや設定、運用情報をどの形で引き継ぐかも確かめます。

保守については、「回答が古いので資料を更新したい」「担当者が変わった」「連携先の画面や仕様が変わった」といった具体的な場面を挙げます。月額に含まれる作業、別途見積もりになる作業、対応する時間帯、連絡窓口を書面で確認すると比較しやすくなります。

また、導入後に利用をやめる場合や、別の支援会社へ依頼する場合の取り扱いも確認します。自社のデータを取り出せるか、管理用アカウントを自社で管理できるか、引き継ぎに追加作業が必要かを聞いておくと、長期の費用を考えやすくなります。

最終的には、説明の印象だけでなく、依頼メモに対して何が提案され、何が対象外になったかを並べます。金額の差が、品質確認や運用支援の範囲によるものかを確かめたうえで判断してください。導入前の準備が不足している場合は、業務の棚卸しを先に進める方法もあります。

まとめ

AI導入の相談先・外注先を選ぶときは、まず自社の目的と対象の業務、社内の担当者を整理します。そのうえで、目的から話を始めてくれるか、分かる言葉で説明してくれるか、特定のツールに縛られない提案か、情報の扱いと導入後の支援はどうか、を確認していくと判断しやすくなるはずです。

e-Grantsは、愛知県一宮市のAIカンパニーです。名古屋・愛知の企業に向けて、業務の洗い出しやツールの選定、試験導入、社内ルールと定着の支援を行うAI導入コンサルティングを提供しています。特定のベンダーに縛られない形での導入を相談したい場合は、30分の無料AI活用診断でお気軽にお問い合わせください。

益田 尚紀

この記事を書いた人

益田 尚紀株式会社e-Grants 代表取締役

株式会社e-Grants代表取締役。愛知県一宮市を拠点に、企業のAI導入支援・AI受託開発・社内AI基盤の構築と、工務店のWeb集客支援に取り組んでいます。現場で使えるAI活用とデジタル集客を、むずかしい言葉をほどいて発信します。

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