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見込み客の検討段階の分け方|担当者が変わっても引き継げる顧客管理

工務店の見込み客を、資料請求・来場・相談中・契約などの検討段階に分ける方法を解説。段階の定義表、お客様カルテに残す項目、担当交代の引き継ぎ手順、段階に合わせた連絡の考え方を紹介します。

この記事のポイント

  • 検討段階は担当者の感覚で決めず、来場や見積提示などお客様との出来事で区切る。
  • お客様カルテには、段階と一緒に、次にすることと期限、お客様が気にしている点を残す。
  • 担当を替えるときは、カルテの更新、引き継ぎの面談、お客様への連絡の順に進める。

資料請求や見学会の来場は増えても、その後どのお客様がどこまで検討しているのかを、会社として答えられないことがあります。営業担当が自分のメモやスマホで管理していると、担当者が休んだり異動したりしたときに、話の続きが分からなくなります。

この記事では、見込み客の検討段階をどう分けるか、段階と一緒に何を記録するか、担当者が変わるときにどう引き継ぐかを説明します。結論は、段階をお客様との出来事で定義し、カルテに次にすることと期限を残すことです。そうすると、誰が見ても同じ段階に分けられ、引き継ぎで確認する内容も決まります。

検討段階を分ける目的

検討段階を分ける目的は、次にお客様へ何をするかを決めることです。来場前のお客様には見学会の案内が合い、プランを提案している途中のお客様には打ち合わせの日程調整が合います。段階が分からないと、すべてのお客様に同じ連絡を送ることになり、検討が進んでいる人には的外れな案内が届きます。

もう一つの目的は、社内で状況を共有することです。社長や営業責任者が「契約に近いお客様は誰か」を確かめるとき、段階がそろっていれば一覧から答えられます。担当者ごとに「相談中」の意味が違うと、同じ一覧を見ても判断できません。

段階をお客様の行動で定義する

段階は、担当者の印象で分けると人によってずれます。「見込みが高い」「乗り気に見える」は担当者の評価であり、別の担当者が同じ判断をするとは限りません。そこで、段階の区切りには、来場した、見積を渡した、などの確かめられる出来事を使います。

見込み客が資料請求、来場、相談中、提案中、契約の順に進む検討段階を、お客様の行動ごとに区切った流れの図。
検討段階は担当者の印象で決めず、来場や見積提示などの出来事で区切ります。AI生成の概念図
段階 入る条件 次の段階へ進む条件 主な連絡
資料請求・問い合わせ 資料請求や問い合わせを受けた 見学会や相談の予約が入る 資料の送付と見学会の案内
来場予約 見学会や個別相談の予約を受けた 当日に来場する 予約確認と前日の案内
来場済み 見学会や相談会に来場した 個別の打ち合わせを約束する お礼と次の相談の案内
相談中 間取りや資金計画の打ち合わせを始めた プランや見積を提示する 打ち合わせの日程と宿題の確認
提案中 プランと見積を提示した 契約するか、検討を止める 質問への回答と比較資料
契約 工事請負契約を結んだ 引き渡しまで工事の担当へ移る 着工までの予定の共有
保留 連絡が途切れた、時期を延ばした 再び問い合わせや予約が入る 間隔を空けたお知らせ

段階の数は、自社の営業の流れに合わせて増減してかまいません。土地探しから始めるお客様が多い会社は、「土地探し中」を相談中の前に置くと状況を表しやすくなります。段階を増やしすぎると判定に迷う場面が増えるため、最初は表の程度から始め、迷った例を集めてから見直します。

判定で迷う場面の決め方

段階の定義を決めても、実際の判定で迷う場面があります。迷いやすい場面は、先に社内で扱いを決めておきます。

来場予約をキャンセルしたお客様は、来場予約から資料請求・問い合わせの段階へ戻します。来場していないので、来場済みとは扱いません。相談中のお客様と連絡が取れなくなった場合は、最後の連絡から一定期間が過ぎたら保留へ移します。期間は自社の検討期間に合わせて決め、カルテに移した日を残します。

他社で契約したと分かったお客様は、保留と分けて「終了」として記録します。終了の理由を短く残しておくと、あとで提案内容や価格帯を見直すときの材料になります。終了したお客様に連絡を続けるかどうかも、会社として決めておきます。

お客様カルテに残す項目

段階だけを記録しても、引き継いだ担当者は次に何をすればよいか分かりません。お客様カルテには、段階と一緒に次の項目を残します。

項目 書く内容 書き方の例
検討段階 表で決めた段階と、その段階に入った日 相談中、打ち合わせ開始日
最初の接点 資料請求、見学会、インスタなどのきっかけ 完成見学会の来場
家族と希望 家族構成、希望の時期、エリア 来年春の入居希望、市内で土地探し
気にしている点 お客様が質問したことや不安 光熱費と収納の量を気にしている
次にすること 担当者が次に行う作業と期限 資金計画の資料を金曜までに送る
やりとりの記録 連絡した日、手段、要点 LINEで打ち合わせ日を確認
担当者 現在の担当と、過去の担当 営業A、設計B

次にすることには、必ず期限を付けます。期限のない作業は後回しになりやすく、引き継いだ担当者もどの作業から手を付けるか判断できません。気にしている点は、お客様の言葉に近い形で書くと、次の打ち合わせで話題にしやすくなります。

やりとりの記録は、要点だけを短く書きます。会話を全部書き写す必要はありません。約束したこと、お客様に渡した資料、まだ答えていない質問の三つが分かれば、引き継ぎには足ります。

担当交代の引き継ぎ手順

担当者が変わる場面は、異動や退職だけではありません。休暇中の対応や、設計担当への橋渡しでも引き継ぎが起きます。引き継ぎは次の順に進めます。

前の担当者がお客様カルテを更新し、新しい担当者と面談し、お客様へ担当変更を連絡し、責任者が確認する四つの引き継ぎ手順の図。
担当を替えるときは、カルテの更新から責任者の確認までを順に進めます。AI生成の概念図
  1. 前の担当者が、受け持っているお客様のカルテを更新する。段階、次にすること、期限が空欄のカルテをなくす。
  2. 前の担当者と新しい担当者が、カルテを見ながら面談する。お客様ごとに、約束したことと答えていない質問を確認する。
  3. 新しい担当者が、お客様へ担当が変わることを連絡する。可能なら前の担当者と連名にする。
  4. 責任者が、引き継いだお客様の一覧と次にすることの期限を確認する。

想定例として、営業担当のAさんが別の営業所へ移り、Bさんが相談中のお客様を引き継ぐ場面を考えます。Aさんはカルテの「次にすること」に、資金計画の資料を送る作業と期限を書きます。面談でBさんは、お客様が光熱費を気にしていることと、前回の打ち合わせで答えを持ち帰った質問を確認します。Bさんがお客様に送る連絡は、次のような文面です。

いつもお世話になっております。〇〇工務店のBです。このたび、Aに代わって〇〇様の家づくりを担当することになりました。前回お話しいただいた光熱費のご質問と、資金計画の資料は、Aから引き継いでおります。資料は金曜日までにお送りします。引き続きよろしくお願いいたします。

前回の内容に触れると、お客様は同じ説明を繰り返さずに済みます。連絡のあと、Bさんはカルテの担当者欄を更新し、過去の担当としてAさんの名前を残します。

段階に合わせた連絡

段階が分かれば、連絡の内容とタイミングも段階ごとに決められます。資料請求の段階では見学会の案内、来場済みの段階では来場のお礼と個別相談の案内、保留の段階では間隔を空けたお知らせ、という形です。来場前後のLINEの送り方はLINEで見学会のリマインドと追客を仕組みにする方法で詳しく説明しています。

段階が変わったら、前の段階向けの連絡を止めます。個別相談を始めたお客様に、来場前向けの見学会の一斉案内が届き続けると、担当者の連絡と食い違います。段階を更新する人と、配信の宛先を決める人が別の場合は、段階を更新した時点で配信の対象から外れる設定にしておくと、止め忘れを防げます。

インスタのDMや見学会の予約フォームから入った問い合わせも、同じカルテにまとめます。窓口ごとに別の一覧で管理すると、同じお客様を二重に数えたり、別の担当者が同時に連絡したりします。DMからの引き継ぎについては工務店のインスタDM対応を仕組みにする方法、予約後の連絡については見学会の予約フォームの記事も参考にしてください。

段階の定義の見直し

段階の定義は、使い始めてから見直します。月に一度、営業会議などで段階ごとのお客様の一覧を見て、次の点を確かめます。

一つ目は、長く同じ段階にとどまっているお客様です。次にすることが書かれていないか、期限が過ぎていないかを確認します。二つ目は、判定に迷った例です。迷った例が続く段階は、入る条件の書き方を直します。三つ目は、保留や終了に移した理由です。同じ理由が続く場合は、提案の内容や連絡の間隔を見直すきっかけになります。

まとめ

見込み客の検討段階は、来場や見積提示などのお客様との出来事で区切ると、担当者が変わっても同じ基準で判定できます。お客様カルテには、段階と一緒に、気にしている点、次にすることと期限を残します。担当を替えるときは、カルテの更新、引き継ぎの面談、お客様への連絡、責任者の確認の順に進めてください。

e-GrantsのL-Studioでは、お客様とのLINEのやりとり、メモ、検討段階をお客様ごとのカルテにまとめられます。検討段階や分類で宛先を絞ってお知らせを配信でき、検討段階ごとの人数も確認できます。ホームページの問い合わせ・予約・資料請求から顧客を自動で登録し、担当・状況・履歴を管理するなら、W-Studioの顧客管理も使えます。工務店向けのサービスは工務店・住宅会社向け集客支援にまとめています。

益田 尚紀

この記事を書いた人

益田 尚紀株式会社e-Grants 代表取締役

株式会社e-Grants代表取締役。愛知県一宮市を拠点に、企業のAI導入支援・AI受託開発・社内AI基盤の構築と、工務店のWeb集客支援に取り組んでいます。現場で使えるAI活用とデジタル集客を、むずかしい言葉をほどいて発信します。

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