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仕事で使えるAIへの指示文(プロンプト)の書き方|基本の型と直し方

仕事で使うプロンプトを目的・読み手・条件・形式で整理。会議メモから担当と期限をまとめる入力例、未確定事項を作らせない指示、出力の失敗に合わせた修正例を紹介します。

この記事のポイント

  • 指示文には、目的・読む相手・条件・出力の形式の四つを書き込む。
  • 一度で完成させようとせず、出力を見ながら追加の指示で直していく。
  • 事実・未確定・推測を分け、どこをどう直すかを具体的に指示する。

ChatGPTやClaudeのような生成AIに仕事を頼んでみたものの、返ってきた文章が長すぎたり、的外れだったりした経験はないでしょうか。AIの出力は、指示文の書き方によって大きく変わります。

AIに入力する依頼の文章は、プロンプトと呼ばれます。特別な書き方を覚える必要はありません。人に仕事を頼むときと同じように、目的や条件をはっきり伝えると、出力が目的に近づきます。

この記事では、仕事で使える指示文の基本の型と、出力がうまくいかないときの直し方を説明します。ツールの機能や料金は製品によって異なり、変わることもあるため、利用時は公式情報を確認してください。

指示文に入れたい四つの要素

仕事で使う指示文には、目的・読む相手・条件・出力の形式の四つを入れると整理しやすくなります。

目的は、何のための文章や作業なのかです。「取引先への納期遅れのお詫びメールを書きたい」のように、用途を具体的に書きます。読む相手は、誰が読むのかを指します。社内の上司向けか、初めて取引する会社の担当者向けかで、言葉づかいや説明の量は変わるでしょう。

条件は、守ってほしいことです。文字数の目安、入れてほしい情報、使ってほしくない表現などを書きます。出力の形式は、どんな形で受け取りたいかを表します。箇条書きか文章か、表にするか、見出しをつけるかなどを指定してください。

要素 書く内容の例
目的 納期が遅れることを取引先に伝え、お詫びしたい
読む相手 長く取引のある会社の購買担当者
条件 新しい納期と理由を入れる、300字程度にする
出力の形式 件名と本文に分けたメールの文面

四つをそろえた指示文の例を挙げます。「長く取引のある会社の購買担当者に送る、納期遅れのお詫びメールを書いてください。新しい納期は来週の金曜日で、理由は部品の入荷の遅れです。300字程度で、件名と本文に分けてください。」このように書くと、条件を何も伝えない場合より、目的に近い文面が返ってきやすくなります。

四つの要素をすべて書く必要がない場面もあります。簡単な言い換えや短い質問なら、一文で頼んでもかまいません。出力が思ったものと違ったときに、四つのうちどれが足りなかったかを見直すと、次の指示文を直しやすくなります。

資料や見本を渡す

AIは、社内の事情や過去のやり取りを知りません。必要な情報は指示文の中で渡しましょう。会議のメモを要約してほしい場合はメモの本文を、既存の文章を直してほしい場合は元の文章を貼り付けます。

ただし、渡す情報には注意が必要です。顧客の個人情報や社外秘の情報を入力してよいかは、社内のルールと使うツールの契約条件によって決まります。データの扱いは製品や契約によって異なるため、公式情報と社内ルールを確認してから使ってください。

出力の見本を渡すのも役立ちます。過去に書いた報告書や理想に近い文章の例を示し、「この形式に合わせて」と頼むと文体や構成をそろえやすくなるでしょう。

AIに役割を伝える書き方もあります。「あなたは総務部の担当者です」のように立場を書くと、その立場に合った言葉づかいで出力されることがあります。ただし、役割を書くだけで内容が正確になるわけではありません。目的や条件を具体的に書くことのほうを優先してください。

一度で完成させず、やり取りで直す

指示文を工夫しても、一度で思いどおりの出力が返ってくるとは限りません。出力を見て、足りない点や直してほしい点を追加で伝えるのが基本の使い方です。

指示を出し、出力を見て、何をどう変えるかを具体的に伝えて直す、というやり取りをくり返す循環の図。直す例として「二段落目を短く」を示し、よかった部分は残すように頼むことも添えている。
出力を見て、どこをどう変えるかを具体的に伝えながら仕上げます。

直すときは、何をどう変えてほしいかを具体的に伝えます。「もっと良くして」より、「二段落目を短くして」「専門用語を使わずに説明して」のほうが、意図が伝わります。よかった部分を伝えて、そこは残すように頼むのも一つの方法です。

うまくいかないときは、指示文を最初から書き直したほうが早いこともあります。条件を詰め込みすぎている場合は、作業を分けて頼むと整理しやすくなるはずです。たとえば、先に構成案を出してもらい、構成が決まってから本文を書いてもらうと段階ごとに確かめやすくなります。

AIの側から質問させる書き方も便利です。「書き始める前に、足りない情報があれば質問してください」と添えると、伝え忘れていた条件に気づけることがあります。

出力を確かめる

AIの出力は、使う前に必ず確かめます。生成AIは、事実と違う内容をもっともらしく書くことがあるからです。数字・日付・固有名詞・法律や制度に関わる内容は、元の資料や公的な情報と照らし合わせてください。

社外に出す文章は、自社の言葉づかいに合っているか、相手に失礼な表現がないかも確認しましょう。AIの出力は下書きとして扱い、最終的な判断は人が行います。

要約を頼んだ場合は、元の資料にない内容が足されていないかも見ておきます。長い資料ほど、すべてを読み比べるのは大変です。大事な数字や結論の部分だけでも、元の資料と照らし合わせるようにしましょう。

指示文を社内で共有する

うまくいった指示文は、社内で共有すると、ほかの社員も同じ作業ですぐに使えます。一人で使うだけではもったいないものです。

共有するときは指示文と一緒に、どんな作業に使うものか、どこを書き換えて使うかを書いておきます。たとえば「取引先名と新しい納期を書き換える」と添えておけば、初めて使う人でも迷いにくいでしょう。共有した指示文は、使った人の声をもとに少しずつ改良していきます。

社員にAIの使い方を広める方法は、社員にAIの使い方を広めるときに教えたいことで詳しく取り上げました。

会議メモを整理するプロンプトの具体例

次の架空の会議メモを、社内共有用に整理する場面を考えます。「展示会の案内文は営業担当が来週までに作る。掲載する製品写真は広報が確認中。案内を送る日は未定。次回会議で送付日を決める」という内容です。

ばらばらの会議メモを、決定事項、担当と期限、未決事項の三つに分けて整理する図。送付日のように決まっていない内容は、未決事項の欄で未定のまま残し、本文にない日付を補わないことを示している。
会議メモは三つに分け、本文にない日付や担当者を補わないよう指示します。

「議事録にして」だけでは、未定の送付日まで補ったり、決定事項と検討事項を混ぜたりする可能性があります。目的と確認条件を、次のように明示します。

社内の関係者が、次に担当する作業を確認するためのメモを作ってください。下記の会議メモだけを使い、「決定事項」「担当と期限」「未決事項」に分けてください。本文にない担当者名や日付を補わず、分からない箇所は「未定」としてください。「来週」のような相対的な期限は、そのまま残して要確認と記載してください。

期待するのは、案内文の作成担当と期限、写真の確認状況、送付日が未定であることを分けた出力です。文章を整えるときに「来週金曜日に送付」と補われていたら、元のメモにない情報なので削除します。実務で共有する前には、作成者が日付と担当者を確認して確定した内容に直します。

この指示文を使い回す場合は、会議メモを貼る位置を明確にしておきます。見本の内容を残したまま別の会議に使うと、前の会議の担当者や期限が混ざる原因になります。

出力の失敗に合わせて指示を直す

同じ「使いにくい出力」でも、原因によって追加する指示は変わります。表現だけの問題なのか、必要な情報が不足しているのかを先に分けてください。

出力の状態 追加する指示の例
長くて要点が見えない 決定事項を先頭に置き、背景説明は一段落にまとめる
元の資料にない内容がある 各項目の根拠となる原文を示し、根拠のない内容は削除する
大切な条件が抜ける 納期、対象商品、例外条件を必ず残す
読む相手に合わない 新入社員向けに、略語は初出で説明する
出力ごとに形が変わる 見出しと記入項目を見本と同じ順番にする

「もっと自然に」「もっと正確に」という追加指示だけでは、何を直すかが伝わりません。たとえば「二段落目にある断定を削り、未確定であることを残す」のように、場所と変更内容を伝えます。直してほしくない数字や条件も指定すると、修正時の確認がしやすくなります。

一度に大量の条件を足しても改善しないときは、作業を分けます。先に元資料から事実を抽出し、その抽出結果を人が確認してから文章化する方法です。どこで誤りが入ったかを確認できるため、長い資料を扱う場合にも向いています。

共有する指示文に添える運用メモ

指示文の共有欄には、用途、入力してよい資料、書き換える箇所、確認項目、最終更新日を添えます。成功した出力だけでなく、未確定の日付を補ってしまった例も残すと、初めて使う人が同じ見落としを避けやすくなります。

共有後は、別の担当者に同じ手順で試してもらいます。作成者しか知らない前提が必要なら、その前提を入力欄や説明に足します。入力例と確認表まで含めて初めて、業務で使い回せる指示文になります。情報の取り扱いは、AIに入力する前の確認事項も合わせて確認してください。

まとめ

仕事で使える指示文は、目的・読む相手・条件・出力の形式の四つを入れると書きやすくなります。必要な資料や見本を渡し、出力を見ながら追加の指示で直していきましょう。出力は必ず確かめ、うまくいった指示文は社内で共有して使い回せるようにしておきます。

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益田 尚紀

この記事を書いた人

益田 尚紀株式会社e-Grants 代表取締役

株式会社e-Grants代表取締役。愛知県一宮市を拠点に、企業のAI導入支援・AI受託開発・社内AI基盤の構築と、工務店のWeb集客支援に取り組んでいます。現場で使えるAI活用とデジタル集客を、むずかしい言葉をほどいて発信します。

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